福澤諭吉と東京歯科大学
私が歯学教育を受けた東京歯科大学は日本最初の歯科医学教育機関であり、
創立者である高山紀斎と血脇守之助は慶應義塾の出身です。
つまり、近代歯科医学の始まりにおいて
福澤諭吉の慶應義塾は重要な役割を果たしているということです。
福澤諭吉は二度の大きな転機を経て
「人間の在り方」探求者と呼ぶに相応しい生き方に至り、
富国強兵を目指した洋学による「人材育成」や「学問のすゝめ」の中で
「一身独立のための要件」を主張しつつ、
「未来志向」のスタンスで「人間の在り方」を説いています。
その教えは、慶應義塾が輩出した血脇守之助に継がれており、
「歯科医師である前に人間たれ」という建学の精神 に
その遺伝子が組み込まれて表現されているものと考えられます。
血脇守之助は歯科医師に対する偏見が根強い時代において、
我々こそが率先して尊敬される人格を持つべきであり、
歯科の専門知識や技能にとどまることなく幅広い教養を身につけ、
深く人間を理解できなければならないと教えました。
これは物事の本質を見極めて発展させていくような学問が必要であるという
福澤諭吉の「人材教育」や「学問のすゝめ」を言い換えているものであり、
「人間交際」を支持する基本的な「人間の在り方」を説くものであると考えられます!